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Rude Interview – BLACK RUDE NIGHT Takamatsu After Session

Rude Interview – BLACK RUDE NIGHT Takamatsu After Session

BLACK RUDE NIGHT Takamatsu After Session feat. Miki Fujiwara and Yuki Shimbo – 2年越しで開催された、BLACK RUDE NIGHT Takamatsu。開催に至るまでの想いを高松AUDIOのフジワラミキ(ミッキー/美樹)さんとフォトグラファーの新保勇樹さんとともに振り返る。

BLACK RUDE NIGHTのこれまで

カタヤナギ せっかくさ、だいぶ時間もかけたのもあるし、みんなの想いもあるし、大成功のイベントだったから、文字に残せたらなと思っていたら、当日SPICEって音楽メディアが取材で入ってくれて、素敵にまとめてくれてた。なので、こちらはもう少しコアな部分の話ができたらいいなって。

SPICE 「チバは俺たちの中にいる」ーー2年越しに開催されたRUDE GALLERY PRESENTS 『BLACK RUDE NIGHT』 愛で黒く塗りつぶした夜の記録

BLACK RUDE NIGHT 第1回からのフライヤー

カタヤナギ 前回は、2023年。コロナでエンタメがストップしてた時期だよね。その1年前ぐらいにリハのスタジオに行って話したんだよなあ。「チバさん、こういうのやりたいんだけど、でもまだ全然、どこも立ち上がってなくて……」って相談したら、それでも「やろうぜ」って言ってくれたの。でも、当日まで国から中止の通達があるかもしれない状況。ライブは大成功だったんだけど……。チバさんがステージ立ったのもこの日が最後……。
フジワラ The Birthday4人の最後のライブがそれだったね。
カタヤナギ その話はたくさんあるんだけど、今回は高松のBLACK RUDE NIGHTの話を中心にね。
で、この日に今回の高松の発表をしたんだ。ライブ終了後に。
フジワラ 次は高松で開催!ってね、うちの17周年に合わせて、11月11日にやろうって。
カタヤナギ やれるんだったらやろうよ!みたいなね。そのあと、いつ中止の発表をしたのかは憶えてないけど……。
フジワラ オフィシャルの発表があって、それから発表したと思う。
カタヤナギ そこから完全に止めてたね、イベントの話は5回目で止めてた。

今回、開催になったきっかけ

カタヤナギ ミッキーと電話では少し話してて、RUDEの展示会のときに直接来てくれて、「やろうよ!」と。
フジワラ そう、自然消滅的になくなってて、もう無いことになってたんだけど。でもそこでカタヤナギさんに相談したのは、高松開催っていうのもあって、私が普段お店にいるから、お客さんとすごく近くて。お客さんから、「振り替えやらないんですかね?」みたいな声もすごく出てて。「楽しみだったんだけどな……」みたいなのをすごく言われて。地方ではそういう声がすごくあるし、みんなの中で終わってないから、ちゃんとやり遂げたいなっていう相談をして。
カタヤナギ The Birthday、先の予定を決めようぜ!みたいな。
フジワラ うんうん。
カタヤナギ The Birthdayのためにも、お客さんのためにも、俺らのためにも、原動力が必要なんじゃないかと考えてたよね。おせっかいだけど。
フジワラ Nothing’s Carved In Stone(以降、ナッシングス)側は、コロナのときに『Hand In Hand』っていう自主イベントで、ナッシングスともう1バンドっていう対バンでツアーをやってたのね。各地いろんなアーティストが出るっていうので。The Birthdayと対バンも決まってたのかな? 結局それもコロナでとんじゃって、ずっと実現できていなかったから。BLACK RUDE NIGHTが決まって、じゃあこれも高松で振り替えも含めて全部やろう!っていう。
カタヤナギ で、決めた。すぐ事務所に行って想いを伝えたら、バンドもOKで「やりましょう!」と言ってくれた。みんながすごく協力的で。もちろんいつもそうなんだけど、特別協力的に感じたんだよなあ。
フジワラ 熱くね、「よし!やろう!」っていう。
カタヤナギ なんだけど、お客さんの温度はどうかな……!?みたいなところはあったからね、実際は。ここで打ち合わせしたよね。チケット発売をすごく早くしてみよう、って。
フジワラ 前回の東京のBLACK RUDE NIGHTが3月15日だったから、同じ日に発表しようっていうので。
カタヤナギ その時から止まっているから、と。ミッキーそういうメモリアル大好きだから。笑 そういう熱い想いで、軸になってくれた。写真も新保にお願いして。その前からThe Birthday撮ってたもんね。ずっと前から撮ってるけど、少し止まってたじゃん? コロナのこともあって。地方のイベントって、地方の人が撮るのを今までやってきたんだけど。イベントやるなら、「新保に撮ってもらいたい!」って、ミッキーが何度も言うから。
フジワラ 福岡も名古屋も地方公演は地元のフォトグラファーでっていうコンセプトだったけど、私は新保さんじゃないと嫌だって言って。笑 The Birthdayの写真も撮ってたっていうのもあるし。もちろん高松で新保さんの写真展をやったり、チバさんの写真展があったり、それに全部新保さんが関わってくれてて、っていうのもあって、地方ならではの地方のフォトグラファー入れてるのでもいいんだよっていうふうには言われてたんだけど……いちばん最初に高松でやろうって決めた時に、もう新保さんにお願いしたから、振り替えも、もうもちろん誰一人メンバー変わらず、同じ人達でやりたいって。
個人的にはもちろん地方の人たちがそういうのを撮って、何かのきっかけになったりとかっていうのももちろんわかるんだけど、ここは絶対に新保さん!、新保さんの写真が見たいっていうのがあったので。
新保 ありがたいお話です。笑
フジワラ BLACK RUDE NIGHTをした後に、必ずCOPY BLACK OUTっていうのをやるっていうのがセットになってるから、それを考えたときに、じゃあもう新保さんしかいないし、きっとお客さんもいちばんそれを望んでいるっていう風に思ってたから。
それに、The Birthdayのオフィシャルのインスタだったり、そういうもので、新保さんがいなくて、マネージャーさんが撮るとかっていうのはたまにあったりするんだけど、でも新保さん撮影のときは、クレジットが絶対入るっていうのがあって、それ以外の人の写真のときは絶対に載らない。
新保 考えたことなかったです。笑
カタヤナギ スタッフであり、メンバーでもあるっていうね。
フジワラ そうそう! そういう意識がきっとあって。いろんなバンドが地方にも来てくれて、一緒にじゃあ前入りするとか、打ち上げするとかあるんだけど、本当にThe Birthdayは、スタッフからみんな打ち上げにいるの。でも他のバンドってそれないの。そのファミリーというか、ちゃんとメンバーっていうか、新保さんも。ファミリー感というか、チーム感っていうのがあって。だからチームは絶対欠かせたくないっていう思いがすごかったかな。

ローカルだからこその魅力。聖地巡礼。

カタヤナギ 地方でのバンドとの向き合い方、ミッキーならではのアンサーがありそう。
フジワラ 高松って、日本一小さい県、香川県ね。だけど、ライブハウスが本当に多いの。大中小含めて、めちゃくちゃ多いのね。
新保 しかも密集していますよね、歩いて行ける距離で。
フジワラ そう! しかもそれが、ほんとありがたいことにAUDIOの周りに全部点在してるの。だからお客さんもThe Birthdayのツアー観に来た、とか、浅井さんやナッシングスのツアーを観に来たついでにAUDIOに寄ってみよう、みたいなのもすごく多くて。もちろん、バンドの方々も。
東京だと、例えば渋谷でライブがあるから、ライブ前にみんながお店に来るっていうのはないんだけどねっ、て言うんだけど。
カタヤナギ メンバーが来るっていうのはなかなか無いよね。
フジワラ 地方だから行くところが限られるっていうのもあるけど、メンバーの人達もみんな顔を出してくれて。っていうのが、どのバンドもすごく多くて。それは、うちにとってもありがたいところだけど。 昔から仲のいいバンドの人たちが、大阪だったり、東京だったり、他のバンドの人達と話しているときに、次は高松だよみたいな話をして、それだったらAUDIOっていうお店があって、美樹さんという人がいるから、よかったら顔を出してみて、っていう風に紹介してくれて、どんどんどんどん繋がっていく。
新保 全部、美樹さんがお店のことをひとりでやっているのがあって、そこに行ったら美樹さんがいるからですよね。
渋谷のライブがあっても、RUDEに行かないのは、カタヤナギさんいるかどうかわからないから。笑 特別悪いことじゃなくて、高松は美樹さんが絶対居るから。AUDIOはお店が開いてる日だったら、絶対居るから行くっていうのがあると思う。
カタヤナギ スナック美樹ね。笑
フジワラ スナック美樹。笑 みんな来てくれたら、いつもただいまって言ってくれるし、おかえりって言うし。
カタヤナギ 確かにそんなところがあったら行くよね、そこに行ったら。自分のことを覚えててくれる人がいて。
新保 今回、面白いなと思ったのがひとつあって、美樹さんのところにそうやって会いに来るじゃないですか、バンドの人とか。そうすると美樹さんがインスタに写真を入り口のとこで一緒に写ってるのか忘れたけど、来た方を撮って写真をインスタにあげてるんですよ。それ普通に見てるんですけど、お客さんは、高松じゃないところからも来る。前日に来て、お店に来たら「ここで写真撮りたかったんです!」みたいな方が結構いて。
フジワラ うん、そうだね。
新保 いつもSNSで見ていて、ここで写真を撮るというのが1つのステータスなのかわかんないけど、面白いなって、そういうお店になってるのが。
フジワラ 確かにみんな「表で写真撮っていいですか?」とか、そのアーティストさんと同じポーズで写真を撮るとか、同じ構図で撮るっていうのをやってるかも。
新保 俺は1回も撮ったことないですけど。笑
—— 次回はぜひ撮ってきてください。
新保 いつもお断りしているので。何かを成し遂げた後じゃないと撮りません。笑
カタヤナギ 聖地だから。笑
89か所目なんだろうね、四国八十八箇所っていうのを。今回はお客さんで東京から来た人も結構いたし、楽しかったんじゃないかな。他に何かライブ以外でも楽しめること。どこの地方もそうかもしれないけど。
新保 その中の1つに、AUDIOの前で写真を撮る、っていう。それもあるし、AUDIOに行くということ自体がそう。

ドレスコード・ステージ衣装の話

カタヤナギ RUDEの服を着てきてという意味じゃなくて。1回目のBLACK RUDE NIGHTが恵比寿で開催だったんだけど、駅前から黒い人たちが歩いていたら面白いなと思ったのね。LIQUIDROOMまで黒い服の人たちで埋め尽くされて……。みんな気を遣ってくれてありがたかった。イベントに関してはいつも考えるところだね。
それと、ステージ上の人たちの衣装も作りたい、っていうのが昔からあったから、それも含めて。
フジワラ 本当に黒じゃないとダメなんですか?とか、悩む人もいれば、どの黒着ようかな?みたいに、来るお客さんもドレスコードがあるイベントってなかなかないから、すごい楽しみにしてくれてたし。
カタヤナギすごかったね、店の前で並んでて。
フジワラ うどん屋か!っていうぐらい。笑
カタヤナギ 高松で、黒い服があんなに集まるってい異様だよね。東京でやるのとはまた違ってた。
フジワラ あと、店の前で、美樹さん忙しそうだったから、店の前でみんなに撮ったやつ送りますね、って送ってくれて。みんなでBLACK RUDE NIGHTのTシャツで決めましたとか、あと革ジャンその日に買ってくれて、その日に着て、参加します!とか。
いろんなバンドのツアーとかでも、そのバンドのグッズを買って、タオルを買って、それでライブハウスの前で写真を撮るとかというのがあるように、楽しんでもらえたのはすごい良かったなと思って。
カタヤナギ 一体感が出るよね。演奏する方もステージ上からそう見えるだろうしね。
バンドの方は、事前に衣装合わせしてつくったりとか。みんな喜んで着てくれてるから。それぞれいろんないろんなサイズの人がいて、いろんな好みの人がいるけど、こっちからもアプローチして、こういうふうに着てくださいって。今回はシャツだね。
プリントをわき腹に入れるっていうのをイメージして。対バンなんで、最初は2つのバンドのデザインをそのまま載せようと思ったんだけど、多いかなと思って。自分のバンドのデザインは白のプリント、対バンのデザインは黒で。
フジワラ 12月のEXHIBITIONで、そのメンバーが着た衣装も展示するっていう。
カタヤナギ バンドの衣装の制作は面白くてしょうがないね。わがままだから、みなさん。笑 こだわりがあるし。
フジワラ 洋服屋さんが作るとなると、ついついコストだったり、いろいろ考えちゃうけど……。衣装合わせのときに、その人によってそれぞれの動きで作り方も変わるから、それはきっと面白いだろうなあ。
カタヤナギ ステージ上は一張羅だからね。それを俺は作りたいなってずっと思ってたから。バンドと一緒に作れるのがうれしい。
フジワラ BLACK RUDE NIGHTで、RUDEが衣装を作って、それをアーティストさんたちが着るっていうのが重要。洋服屋さんだからべつにイベントしなくて良くない?ってなるんだけど、そこに意味がちゃんと生まれるし、その衣装を見てお客さんたちはかっこいいな、RUDEの服いいなってみんな思うだろうし、ああいう風に着たいなっていうのが。それが普段の営業にも繋がってくると思うし。
—— 洋服屋がやるイベントの在り方。
カタヤナギ そうね、その意味は大事だと思ってる。それに賛同してくれて、参加してくれてると思うしね。

撮影のこと

カタヤナギ 撮影に関して、これ聞いてみたいと思うとこだよね。誰にでもできるわけじゃないからさ。
フジワラ 今回のBLACK RUDE NIGHTに関して。
カタヤナギ 日本は特にさ、お客さんが写真撮っちゃダメじゃん。海外アーティストは結構オッケーだけど。だから余計、新保の撮った写真で見る人の方が多いわけじゃん? 世の中の人たちは。現場で見るよりね。結構な責任があると思うけど。そういうふうに撮ってるのかなと思って。
新保 そうですね。仕事として受けてる以上っていうのはあるから、特別な想いがなくはないけど、別に何か想いは写真に映らないから、そこは別に置いといて……というはいつも、今回に限らずですが。
カタヤナギ 俺は写ってるように見えるけどね、新保の写真は。
新保 見る側がそう感じるのはいいんですけど、それを撮る側が言うことじゃない、という。
カタヤナギ 自分で撮る時は結構夢中になって撮ってるの? それとも少し俯瞰で撮ってるの? 気持ち的に。両方もあるかもだけど。
新保 そこは時間で使い分けるっていうか……。
フジワラ あー、時間で!
新保 BLACK RUDE NIGHTは、仕事としてはすごく難しい。いわゆるステージ写真の仕事としては難しい部類に入る。その先に本にしたいとか、展示にしたいとかあるから。今回もEXHIBITIONをやるというのがあるし、最初に言ってもらえているから、こっちも準備できるんだけど……。それが1回のライブというか、一晩の、今回で言ったら2バンド50分/50分ぐらいずつのステージで、それを展示にしなくちゃいけない……っていうのは結構大変なんです。
例えばツアーを追ってて、それをちょっとした冊子を作るとかっていう依頼とかだったら、何か所かあったり、ワンマンだと2時間とか1時間半とかでないですか。50分でそれぞれ、しかも今回でいうとThe Birthdayも3人になったから。3人のThe Birthdayってそこまでまだ撮ってないし、ナッシングスに関しては、ほぼ初見。
—— 初見だと、やはり撮影のポジションを見つけるのも難しいとか、そういうのもありますか?
新保 要はバリエーション撮らなくちゃいけないから、それを動きとか、こっちで指示ができないから、このバリエーションを撮るために頭を回すっていうのがあるので、夢中になって撮ってたらポシャるっていうか、誰かの写真が足りないとか、そこはちゃんとある程度、それぞれソロカットがいいバンドカットがあってとか、バリエーションを考えつつ撮って、それが撮れたなと思ったら、あとはもう振り切って撮ったのが面白くなる可能性もあるけど。それは他の仕事でも一緒ですけど、まず撮れ高をちゃんと作るっていう。
カタヤナギ 演奏する人たちと同じってことだもんね、ぶっつけ本番で。
新保 そうです、BLACK RUDE NIGHTは毎回結構大変……。
カタヤナギ この曲のこの場面だな、みたいなところが出てこない?
新保 あー、それはもうイベントだと出てこないですね。何かわかりやすく、最後のアンコールとかだったらわかるけど、それ以外はもう、それこそThe Birthdayのツアーとか周ってて何本も撮ってれば、ああ、これ何とかの曲だな、って照明とかでわかるけど、イベントだとないです。
この曲のときの写真だからって、そこに価値は自分はない思っているので。
カタヤナギ 照明さんとの息もあるだろうしね。
新保 ナッシングスもちゃんと曲の展開でパンパンって切り替わるというのがあったから。初見でもやりやすいし、撮りやすいですよ。キャラクターもあるし、絵になるから。全然、心配はしてなかったですね。

BLACK RUDE NIGHT EXHIBITION
“COPY BLACK OUT at AUDIO” について

カタヤナギ 写真展っていうのが次あって、それ用に今、準備してると思うんだけど。
新保 もうすぐ、12月頭に。
フジワラ そう、BLACK RUDE NIGHT EXHIBITION “COPY BLACK OUT at AUDIO”。
カタヤナギ ラフで上げてくれて、それを俺らもセレクトも、もちろん新保の方でセレクトしたのを送ってくれる。何千枚もあるでしょ? それを丸投げされても困るから、セレクトしてもらったやつを送ってもらって、俺らの中で見たやつを、事務所さんにもバンド側にも全部見てもらって。っていうふうにふるいにかけられてくるわけだよね。すげーいい写真だけど、ちょっと顔が横を向いていて写ってないとかさ。
バンドさんはそういうのすごく気にするし、洋服屋は服がカッコよく写ってるのがいいし、とか、いろんな人の気持ちが入っているから、最終的にはミッキーが選んで。
新保 基本的にはお任せなんです。
フジワラ 私からしたら、新保さんから送られてきたものはもう間違いないって思ってるので。新保さんにどうですか? じゃなくて、新保さんはこれと思ったものしか送ってこないっていうのがあるので、あとは自分たちがどう選んで、どうするか。
私は、The Birthdayの新保さんの写真は見たことあったけど、もちろんナッシングスも大好きだし、新保さんが撮るナッシングスの写真も見たいってのもあったから、それがどういう形で展示になるか?っていうのまでは決まってなかったけど、COPY BLACK OUTをやるというのは決まってたから、新保さんがを撮るってなったら、みんな興奮するんじゃないかなっていう。私もファンの感覚でいたから。
カタヤナギ そうだね。ナッシングスもいつも決まってるフォトグラファーさんがいるけれど、新保が撮るんだったらって言ってくれたし、いい写真だよね。
フジワラ それこそ、それぞれのバンドに見てもらって、あとはその中から選んでください、っていう段階で、ナッシングスのウブ君と別件で連絡することがあって、写真の確認もありがとうね、っていう連絡をしたら、めちゃくちゃ良かったですって。お世辞抜きで本当にいい写真で、すごい楽しみですって言ってくれて。やっぱり新保さんに入ってもらってよかったなと思ったし、ウブくんたちにも、新保さんが撮る自分たちを見てもらえてよかったなと思ったから。
新保 ……実は……、次ワンマン撮ることになったんですよ。
カタヤナギ・フジワラ えー!!
フジワラ オファーきた!?
新保 マネージャーの加藤さんから連絡来て、ファンクラブの何か……。
フジワラ ウブくん、あまりそういうこと言わないんだけど、すごいいいって言ってたから!
新保 そう、メンバーが高松の写真を気に入ってくれたようで。
フジワラ これがきっかけで繋がってくれるのうれしい!
カタヤナギ よかったなあ!
—— 写真展ではなく、EXHIBITION?
フジワラ The Birthdayに関しては、新保さんの写真展とかで販売もしてたから、The Birthdayのお客さんには、写真ってイコールなんだけど、ナッシングスって今まで写真展をしたりとかはなくて、アルバムが出る時のライブのパネル展をやります、レコード屋さんでパネル展ありますぐらい。写真展とか、本格的なものはない分、お客さんも写真を買うっていうことがあまりいないと思うし……っていうところで、新保さんからもアイディアをもらって。みんなが手に取りやすいじゃないけど、みんなも見やすいポスターで展示して、写真ももちろん展示と販売はするんだけど、今までだったら全部その写真を展示して販売っていうのを、今回は大きいポスターにして。そのポスターでも絵になる人たちだし、そういう意味では面白いんじゃないかなっていう提案をもらって。
新保 あとは単純に、僕は写真展というふうにしたくなかったっていうのがあったから。

カタヤナギ あれ……!?
フジワラ アレ!?
新保 今ちょうど話をしてたところ!笑

突然、生形さん登場!

生形(ナッシングス) 今歯医者行ってきたんです。笑
フジワラ うわさしよったんよ!笑
生形 MA-1を取りに来たら、上に美樹さんと新保さんいるって聞いて。何してたんですか?
フジワラ 今ね、RUDEのウェブにのせる、BLACK RUDE NIGHTの取材。
生形 ああ、なるほど!  今ね、麻酔が効いていてちゃんとしゃべれないんですけれどね。苦笑
新保 UNiT宜しくお願いします。
生形 お願いします! そう、お願いしたんですよ、写真。
カタヤナギ さっきそれ聞いて嬉しくなっちゃった。
フジワラ ものすごい仕込みみたい!笑
生形 いやあ、すごくよくて、写真が。もうマネージャーとも話してて、新保さんいいですねーって! ……ちょっと車見てもらってるんで行きますね、駐禁多いですから、この辺……。苦笑
一同 ありがとう!
カタヤナギ サプライズだなあ!
フジワラ すごい!笑

あらためて、EXHIBITIONについて

カタヤナギ このあと写真展あって、それ用に今、準備してると思うんだけど。
新保 3人で再始動したThe Birthdayも、今までと同じようなかたちで関わらせてもらってて、写真も撮ってるけど、自分(新保)の名義では、写真を出していないので、写真展をやるときは……まだ何も決まってないですけど、やるとしたら写真展という形でやりたい。だから、今回はプリントをメインとして、写真展っていう感じにはしたくはないです、とはっきり伝えました。
フジワラ じゃあ、EXHIBITIONにしよう!って。
新保 都合のいい言葉、EXHIBITIONに。笑
BLACK RUDE NIGHTの展示は、基本的に僕の名前をなるべく小さくしてくださいっていつも言っているんですよ。新保勇樹の写真展ではなく、BLACK RUDE NIGHTの展示だから。自分の作品ではあるけど自分の写真展ではない、という感覚があって。そこでクオリティーを下げているわけではないんだけど。
その方がより、洋服屋さんがやってる意味が出る。BLACK RUDE NIGHTとしてのEXHIBITIONで、写真もあれば、ポスターもあれば、洋服とかもある。その方がカルチャーとして健全じゃないかなっていう。餅は餅屋じゃないけど。それぞれが美味しいお餅を。
カタヤナギ なるほど。持ち寄って、それを面白くすると。
あとは、ミッキーの店の隣にギャラリーがあるからできるよね。ローカルの人がいちばん喜ぶことが大事。
フジワラ 今回のBLACK RUDE NIGHT EXHIBITIONも、高松でしかやらないから高松に来てくれるっていうメリットがあって。イベントは行けなかったけど、EXHIBITIONは行きますねっていうメッセージくれる人もいるし、イベント行った人もまだみんな興奮しているから。
カタヤナギ 東京ばかりに行けないよっていう声もいっぱいあるからね、いつも。東京でしかやらないと。
新保 東京だと今回のエキシビションとかは難しいと思う。
—— そういうのが、いろんな地方で各地にあるといいですよね。
新保 Support your local精神ですね。
フジワラ 店もあって、いろんな繋がりもあって。もちろん普段は写真展いいな、あのEXHIBITIONいいなとか色々思うことあるけど、やりたいんだったら全部自分がやればいいっていうふうに思ってて。
カタヤナギ その気持ちが何でも軸になっている。軸がないとね、気持ちの軸が。
今回は、The Birthdayのためでもあったし、もちろんお客さんも、そして自分たちのためでもあったし。(ライブの『涙がこぼれそう』を聴きながら……)歌詞が象徴するような、チバさんが残したものをちゃんとやってるよ、って。観ててて何回涙がこぼれたか……。
フジワラ すごく心が動いたんやね。ほら、いろんなやりたいことを。使命感だったり、私がこうしたいとか、いろんな要望も伝えて。私は大きな船に乗せてもらって、あっち行ってこっち行っててね、それが無事終わったっていう安堵感もあったんだと思います。
カタヤナギ ああ、やっぱ、チバさん見てるかなー?とか、存在を感じるよね、いつもね。ちゃんとビシッとしたのができたなと思ったし、変わらずやってるよ!みたいな。
フジワラ オファーしたときは15分できるかな、っていう感じだったのが、実際ツアーも周るようになって、今回このイベントも振り替えができて。ライブが始まる前に事務所のみんなとも話して。
ほんとこれはたまたまだったんだけど、その26日が月命日にあたる日で……。カタヤナギさんが「チバさん、今日来ますよね?」みたいな感じで能野社長に言ったら、「もうベロベロだよ! 絶対酔っ払ってるよ」って言ってくれて。振り替えが決まった当初はそんな冗談もまだ言えなかったし。
カタヤナギ あの頃は張り詰めてたもんね。
フジワラ 何かちゃんと存在がそこにあって、みんなそれぞれに想いがあって。
新保 ……という想いを考えないことが、写真を撮る上では大事なんですよ。(一同笑)
カタヤナギ 重たくなっちゃうから?
新保 重たくなっちゃうとかじゃなくて、撮るときは想わない。目の前が全てだから、想ったところで写真が良くなるわけではない。だからあとで、想いが伝わるよって言ってもらえるだけでいい。
カタヤナギ それでひとつ、形になるんだね。
新保 こっちは想いを撮っているわけじゃなくて、常に目の前を撮っているわけだから。想いは感じてもらうもの。
カタヤナギ EXHIBITIONを見に来た人が感じてくれたらいいな、ということだよね。
新保 みなさん、ぜひ高松に。うどんを食べに来て、AUDIOに行ってください。笑

インタビュー後にRUDE GALLERY TOKYOにて。フジワラミキさん(左)、新保勇樹さん(右)。

フジワラミキ/Miki Fujiwara
MAGICAL DESIGNより独立し、セレクトショップAUDIOをオープン。ショップの隣りにギャラリー併設。洋服屋の傍ら、地元でライブのサポートを行い、洋服と音楽に日々夢中。2026年にAUDIOが20周年を迎える。
AUDIO 〒760-0054 香川県高松市常磐町2-3-36 仲吉ビル1F
Website: AUDIO (BEAT SYNDICATE)
Instagram: @audio_takamatsu

新保勇樹/Yuki Shimbo
写真家。1980年新潟県小千谷市生まれ。日々を摘む、それだけを続けている。
Website: shimboyuki.com
Instagram: @shimboyuki

BLACK RUDE NIGHT EXHIBITION “COPY BLACK OUT at AUDIO”
2025.12.6 Sat – 14.Sun
会場:高松 AUDIO 〒760-0054 香川県高松市常磐町2-3-36 仲吉ビル1F
tel:087-812-6491
高松 AUDIO Website: http://audio.shop-pro.jp/

セッションを待つ間、ステージ袖でThe Birthdayのライブを見守るタクちゃん(村松拓)とウブくん(生形真一)。

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